50日移動平均線を再び割れる展開
金価格は8月9日に50日移動平均線を上抜けて、200日移動平均を目指す展開かと思われましたが、期待とは裏腹にDXYが再び上昇したことによってふたたび下落に転じました。
フィボナッチ・リトレースメントでみると61.8%まで戻して反落した形です。
もう少し短期のトレンドでみると8月16日に5日移動平均線の下に陰線が出ましたので、ここが転換のポイントだったように思います。20日移動平均線も簡単に下回りました。
週足チャートでみる反発ライン予想
2020年3月にはじまった米国の金融緩和によって米ドルの価値が下落し、相対的に金の価格は高値圏で推移しました。この間に3度サポートとして機能しているのが、赤の価格帯です。
ここを割り込むとコロナショック以降続いた金の一相場が終了したとみてよいのではないでしょうか。
強いDXY(ドル指数)との逆相関
週足ベースでみると、特にDXY(ドル指数)との間に非常に強い負の相関関係があることが分かります。そのDXYが直近の最高値を再び超えようという展開ですので、金にとってはしばらく厳しい展開が続きそうです。
インフレは金の材料たりえなくなっている
週足ベースでみるとインフレ率との相関係数は2021年後半ごろから2022年4月末ごろまでは非常に高い相関関係でしたが、直近ではむしろ逆相関となっています。
2022年6月の前年同月比のインフレ率は6月の9.1ポイントから8.5ポイントとインフレ鎮静化の兆しがややみられたこともありますが、やはり利上げに伴う米ドルとそれ以外の国とでの金利差拡大によってドル買いが加速し、金価格の下押し圧力になっているようです。